鳴らす阿呆へまっしぐら 〜鉦〜
三味線見習いのちづるです。
『鳴らす阿呆へまっしぐら』連載の第2回目。
次の更新まで1ヶ月以上あるわ〜とのんびりしてたらもう今日がやってきました。
月日が経つのって本当早いですね。
さてさて私の前回の連載では、簡単に鳴り物とは?ってことをお話しさせていただきましたが、今回からは一つ一つの楽器についてお話させていただきますよー。
今日のお題
『鉦』です。
阿波おどりでは[かね]と読みます。
実物はこれ。
サイズも各種取り揃えております。
そしてこの鉦を鳴らすのは・・
これ。撞木(しゅもく)です
まず外観を見てもらいましたが、どうでしょう?
なかなか普段見かけない楽器ですよね?
私も阿波おどりを始めるまで存在も知りませんでした(^ ^;)
ですが鉦は阿波おどりにおいて
とぉっっっっっっっても重要な楽器です。
“っ”をあと100回くらい言ってもいいくらいです。
なぜなら鉦は
演奏者であると同時に指揮者
であるからです。
特に舞台演舞において鉦は、鳴り物として鉦の音を聴かせつつ、お囃子のテンポの上げ下げ、音量の強弱を細かく指示します。
また、曲や踊りの内容を理解して、場面に合わせたイメージを他の鳴り物に伝えるのも重要な役割です。
ノリが良く楽しい場面や、静かなしっとりとした場面、重厚な場面など、様々なイメージを表現するために鉦が鳴り物をリードします。
鳴り物を活かすも殺すも鉦次第といいうわけですね!(@0@)/
ではではそんな鉦について、もうちょっと詳しく説明してみます。
材質・サイズ
【鉦】材質は合金(銅や真鍮など)
サイズは10cm〜30cmぐらいが一般的ですが、 特注サイズのすごく大きな鉦を使われる連もあります。
ちなみに、鉦は鉦枠に3点で留められていますが、たまにこれが切れてしまうそうです。
定期的にメンテナンスが必要ですね。
【鐘木】材質は鹿の角です。
サイズも様々ですが、小さい方が綺麗な音が鳴る気がします。
こちらも、時々この鐘木頭だけが外れてしまうことがあり、我が連でも一度流し踊りの最中でこの頭が飛んだことがあります。笑
打ち方
東京新のんき連は2拍子と呼ばれるリズムが基本です。
2拍子といっても、学校で習うように1小節に4分音符二つというよりも、
1小節で踊り子さんが二歩(右足・左足)踊るという方が分かりやすいでしょうか。
鉦は踊り子さんの一歩で4回打ちます。
一歩(一拍)で4回ということは音符であらわすと・・16分音符が4つ!
・・とはなりません。笑
阿波おどりのリズムを音符にすると
一歩 =(付点16分音符+32分音符)× 2 です。
はい。分かりにくいですね。
では音符で書いてみます。
楽しそうなリズムですね〜(^ ^)♪
これが一小節。踊り子さんの二歩分です。
しかし正直阿波おどりに譜面なんてあってないようなもの。
この鉦のリズムは音符に置き換えると上記のように例えられるだけで実際は、連やその奏者によってさまざまな違いがあります。
例えば個人的な感想ですけど、
最初の16分音符を少し短めにしてハネを抑えると軽やかなイメージ
逆に16分音符を長めにおいてハネを強調すると優雅な印象を受けます。
はたまた、アタマに装飾音をつけるときらびやかな雰囲気になる気がします。
(とても奥深い世界なので上手く説明ができず申し訳ありません・・。)
要するに阿波おどりのリズムは鉦から生まれるということですね!
さてさて次は、実際に鉦の打ち方について簡単に説明してみましょう。
この基本的には真ん中の×印あたりを打ちます。
ちょっと転がしたい時などはフチの部分も使います。
この辺りも連や奏者の個性と言ってもいいのではないでしょうか(^ ^)
あとは、音量を下げたいときに鉦に指を添えて響きを殺したりします。
観どころ・聴きどころ
最後にそんな鉦の観どころ聴きどころは
「とにかく鉦を見てみて!」
です。
鉦は鳴り物をリードする役割があると先述しましたが、良い鉦はリードしつつも他の鳴り物を邪魔することはしません。
なので派手に打ってないときの鉦は完全にお囃子の一部となり自然と意識から外れてたりするんですよ。
そこでそんな鉦に注意して見て聴いてみてください。その繊細な響きが聴こえてきますから。
そうやって聴こえてきた鉦の音を意識しつつ踊りを観ていると、お囃子と踊りの一体感が感じられてすごく高揚します。
鉦を意識すると阿波おどりがもっと楽しくなること間違いなしです(^ ^)
次回予告
次回は4月初旬くらいでしょうか?
【 鳴らす阿呆へまっしぐら -大太鼓- 】
私たちの自慢の鳴り物「大太鼓」の登場です!
楽しみにお待ちくださいね♪
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